エリプソメトリー測定

エリプソメトリーでは、主に反射光または透過光のp成分とs成分の相対的な変化に着目します。そのため、リファレンスを必要としません。既知の状態の偏光が試料を反射または透過し、アウトプットとして出る偏光の状態が測定されます。エリプソメトリーで測定する偏光状態の変化は、一般的に次式で表されます。

図6はエリプソメトリー測定の概要を示しています。入射光にはp成分とs成分からなる直線偏光を用います。試料で反射した偏光は、p成分とs成分の振幅および位相が変化します。エリプソメトリーではこの変化を測定します。

図6:分光エリプソメトリー測定の概要

エリプソメトリー測定に必要な構成は、主に光源、偏光発生器、試料、偏光検出器、ディテクターなどです。偏光発生器と偏光検出器には、偏光子、補償子、位相変調器といった偏光状態を操作する光学素子が用いられます。一般的なエリプソメーターの構成には回転検光子型(RAE)、回転偏光子型(RPE)、回転補償子型(RCE)、位相変調器型(PME)があります。

上図は回転検光子型の光学構成を示しています。光源から発生した非偏光の光が偏光子を通過しますが、偏光子は透過軸と合う角度の電場のみを通すことができます。偏光子の角度は、p偏光とs偏光の両方を試料に入射させるためにp方向とs方向の中間に設定されます。試料に入射した直線偏光は、試料表面で反射して楕円偏光に変化し、連続回転する偏光子を通過します(ディテクター側の偏光子は検光子と呼ばれます)。検光子を通過することができる光強度は検光子の角度に依存し、この角度は試料から反射してくる電場の楕円形状に関係してきます。ディテクターでは、偏光状態を測定するために光強度を電気信号に変換します。この情報を入射した既知の状態の偏光と比較することで、試料を反射することにより生じる偏光状態の変化を観測します。これがエリプソメトリーによるPsi(Ψ)とDelta(⊿)の測定です。

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