IR-VASE Mark II®(赤外域多入射角分光エリプソメーター)

IR-VASE®は、FTIRが持つ化学物質への高い感度と分光エリプソメトリーが持つ薄膜への高い感度を結びつけた最初で唯一の分光エリプソメーターです。1.7ミクロンから30ミクロン(333cm-1から5900cm-1)までの広い波長範囲を測定し、薄膜とバルク材料の両方の特性評価が行えます。急速に応用範囲を広げているこの技術は研究機関だけでなく、光学コーティング、半導体、バイオテクノロジー、化学といった産業分野でも使用されています。

IR-VASE Mark IIの特徴

広い波長範囲

遠赤外付近まで対応
(1.7μm から 30 μm)
(333cm-1から5900cm-1)
分解能は1cm-1から64cm-1

極薄膜に対する高い感度

反射光および透過光から得られる分光エリプソメトリーのデータには「位相」と「振幅」の情報が含まれています。赤外エリプソメトリーから得られる位相の情報は、FTIR測定と比較して、化学組成に対する高い感度を維持したまま、極薄膜に対しより高い感度を示します。

非破壊評価

IR-VASEは様々な材料特性を非接触、非破壊で評価することができます。測定は真空を必要とせず、バイオや化学の分野で重要な固液界面の評価に使用することもできます。

ベースライン測定や参照サンプルが必要ない

エリプソメトリーは自己参照技術であるため、精度を維持するための参照サンプルを必要としません。また、ビーム全体を収集する必要がないため、ビーム径よりも小さなサンプルであっても測定可能です。

高精度な測定

特許取得済みのキャリブレーション技術とデータ取得手法によって、ΨとΔを高精度かつフルレンジで測定します。この装置はクラマース・クローニヒ解析を使って、測定範囲外にデータを外挿することなく1.7μmから30μmまでの波長範囲全体にわたって物質の n と k を決定することができます。誘電体、半導体、ポリマー、金属などの薄膜やバルク材料に対して最適です。

光学コーティング

IR-VASEにより単層膜や多層膜の膜厚および屈折率の評価が可能です。 評価例 バルク基板(コートなし)、赤外域の光学システム、反射防止膜、高反射膜、高屈折率膜、低屈折率膜

分子結合の振動吸収によって化学組成を決定する

一般的なFTIR分光法のように、赤外エリプソメトリーでは振動吸収によって分子結合の情報が得られます。これらの振動によって引き起こされる吸収によりバルクまたは薄膜材料の評価が可能です。赤外エリプソメトリーはFTIR分光法よりも高い感度を持ち、単純な吸収をみるだけではなく、n と kの定量化が可能です。
下の図は測定により求めたシリコーン薄膜の光学定数であり、振動吸収が示されています。

多層膜解析

幅広い波長レンジと可変入射角測定機能を持つIR-VASEなら様々な多層膜評価が出来ます。
多入射角測定は各層を通る光路長を変化させ、追加の情報を提供します。右グラフ中のエリプソメトリ―データは4層すべてに対して感度を示しています。各層の屈折率及び吸収の差は各層の正確な膜厚評価を可能とします。

multilayer-characterization-layers

CHEMICAL COMPOSITION VIA MOLECULAR BOND VIBRATIONAL ABSORPTIONS

Like standard FTIR spectroscopy, IR ellipsometry contains information about molecular bond via vibrational absorptions. Infrared absorption caused by these vibrations can be studied in bulk or thin film materials. IR ellipsometry offers increased sensitivity over FTIR spectroscopy. It also obtains both n and k rather than just absorbance. Figures below show measured optical constants of a silicone thin film with vibrational absorptions labeled.

molecular-bond-graph

エピタキシャル層、ドーピング濃度とドーピングプロファイル

赤外域の波長ではフリーキャリアの密度の違いによって、エピタキシャル層もしくは注入層とその下の基板との間に光学的なコントラストが生じます。これにより、IR-VASEはエピタキシャル層の膜厚と基板のドーピング濃度に対して紫外-可視領域では見られない非常に優れた感度を示します。
また、IR-VASEは界面におけるキャリアの密度勾配に対しても優れた感度を持ちます。非破壊測定のIR-VASE測定と破壊測定であるSIMSや拡がり抵抗顕微鏡での観測を比較すると、深さ方向に対するキャリアプロファイルが非常に良い一致を示します。

T.E. Tiwald et al., Phys. Rev. B, 60 (1999) 11 464.

T.E. Tiwald et al., Phys. Rev. B, 60 (1999) 11 464.

フォノン構造(化合物半導体)

IR-VASEの幅広い測定波長範囲は化合物半導体やその他結晶性固体におけるフォノン吸収の研究にとって重要です。3つのフォノンモードを示す右の図はAlN/GaNが10回繰り返された超格子構造のデータで、それぞれ異なるAlN/GaNの膜厚比をとっています(from V.Darakchieva et al, phys. Rev.B71, 115329(2005))。理論的に予想できない非局在化モード(グラフ中A及びB)と同様に、超格子構造の構成成分に起因するフォノンモードもグラフから確認できます。フォノンシフトを歪みやその他特性に関連付けることも可能です。

M. Schubert et al., SPIE Vol. 4449-8 (2001)

M. Schubert et al., SPIE Vol. 4449-8 (2001)

仕様

装置概要 RCE
波長範囲 1.7μm to 30μm
333cm-1 to 5900cm-1
分解能 1cm-1 to 64cm-1 (user defined)
ディテクター DTGS
入射角範囲 26° to 90°
データ取得時間 1 to 30 minutes, typical
(1 angle of incidence at 16cm-1 resolution)
*Finer resolution will require longer time.
基板厚さ 20mm

必要設備

詳細はJ.A. Woollam Co. へお問合せください

寸法

ir-vase-mark-ii-ellipsometer-dimensions

クライオスタット

ir-vase-mark-ii-with-cryostat

温度範囲: 4.2ケルビン ~ 500 ケルビン(標準)
4.2ケルビン ~ 800 ケルビン(オプション)
サンプルサイズ 最大25×25mm
UHVチャンバー/サンプルマウント/
クライオスタット、ターボポンプ、
温度コントローラー/専用台座/
コンピューター制御温度コントローラーと
エリプソメトリデータ取得のためのソフトウェアを含む。
※入射角70°(透過配置0°)

加熱ステージ(Linkam)

linkam-ellipsometer-heatcell-horizontal

温度範囲: -70°C to 600°C
入射角: 70°
液体窒素による強制冷却
サンプルサイズ 直径~22mm 厚さ~5mm

標準加熱ステージ (HTC-100)

htc-100-heatcell-vertical-stage

温度範囲 室温~300℃
入射角 70°
サンプルサイズ 直径50mmまで 厚さ7.6mmまで
自然放冷

回転ステージ

vertical-ellipsometer-rotation-stage

自動回転ステージ(360° Theta)
異方性測定に有効
入射角0°±19°までなら
透過配置での測定可能
通常ステージと容易に付け替え可能

手動マッピングステージ

50-50mm-manual-vertical-translation-stage

50×50 mm XY
通常ステージと容易に付け替え可能.

参考文献

“Application of IR variable angle spectroscopic ellipsometry to the determination of free carrier
concentration depth profiles” Authors: H. Arwin, A. Askendahl, P. Tengvall, D.W. Thompson,
J.A. Woollam Thin Solid Films, 313-314, (1998) 661-666.

“Determination of the Mid-IR Optical Constants of Water and Lubricants Using IR Ellipsometry
Combined with an ATR Cell” Authors: T. Tiwald, D. Thompson, J. A. Woollam, and S. V.
Pepper Thin Solid Films, 313-314, (1998) 718-721.

“Carrier concentration and lattice absorption in bulk and epitaxial silicon carbide determined
using infrared ellipsometry” Authors: T.E. Tiwald, J.A. Woollam, S. Zollner, J. Christiansen,
R.B. Gregory, T. Wetteroth, S.R. Wilson, A.R. Powell Phys. Rev. B, 60, 16, (1999) 11464-
11474.

“Infrared dielectric anisotropy and phonon modes of sapphire” Authors: M. Schubert, T.E. Tiwald,
C.M. Herzinger. Phys. Rev. B, 61, 12, (2000) 8187-8201.

“Free-carrier and phonon properties of n- and p-type hexagonal GaN films measured by infrared
ellipsometry” Authors: A. Kasic, M. Schubert, S. Einfeldt, D. Hommel, T.E. Tiwald Phys. Rev.
B, 62, 11, (2000) 7365-7377.

“Infrared ellipsometry studies of thermal stability of protein monolayers and multilayers”
Authors: H. Arwin, A. Askendahl, P. Tengvall, D.W. Thompson, J.A. Woollam physica status
solidi (c), 5, 5, (2000) 1438-1441.

“Use of Molecular Vibrations to Analyze Very Thin Films with Infrared Ellipsometry” Authors:
H. G. Tompkins, T. Tiwald, C. Bungay, and A. E. Hooper J. Phys. Chem. B, 108, 12, (2004)
3777-3780.

“Toward Perfect Antireflection Coatings. 3. Experimental Results Obtained with the Use of
Reststrahlen Materials” Authors: J. A. Dobrowolski, Y. Guo, T. Tiwald, P. Ma, and D. Poitras
Applied Optics, 45, 7, (2005) 1555-1562.

従来のIR-VASEとIR-VASE Mark II の違いは?
従来と比較して小型で使用するパージガスの量も少ないです。光源のグローバーやアライメントレーザーの寿命も長くなりました。また、メンテナンスの際の作業性も向上しています。測定する上ではサンプルまでの光路長が短くなり測定スポット径も小さくなっています。

使用するソフトウェアはCompleteEASEとWVASEのどちらですか?
WVASEです。

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