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前の章で述べましたように、エリプソメトリーは試料によって変化する光の偏光状態を
あらわすPsiとDeltaの2つの値を測定します。エリプソメトリーは光学定数や膜厚を直接は
測定しませんがPsiとDeltaはそれらの相関的要素となります。膜厚と光学定数は、フレネルの
反射係数やスネルの法則などの光理論に基づいた光学モデルで解析されます。光学モデルを
構築する手順を図1に示します。 |
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図 1
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データ解析の第1のステップは測定される物質の光学モデルを構築することです。
この光学モデルには各層の順番、光学定数そしてそれらの膜厚が必要となります。
もしこれらの値が未知の場合「予想される最適値」を入力します。例えば図2に
示されたシリコンサンプルを用います。一般的には最も単純なモデルから出発して
必要に応じて複雑さを追加します。 |

図 2 |
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次に光学モデルからデータを生成し実測データと比較します。
もし未知の値の初期値が遠い場合回帰解析アルゴリズムは進行不可となってしまいます。
図3にモデルのデータ(赤線)が実測データ(緑線)に良くは合っていない例を示します。
ここでこのモデルのデータをフィッティングすると実際の値には収束せずに極小値に落ちて
しまいます。 |
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図 3 悪い初期値
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図4に良い初期値の例を示します。モデルのデータは実測データの形やパターンと同じに
なっています。ここでこのデータをフィッティングすれば回帰解析アルゴリズムは正確な
値に収束します。
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図 4 良い初期値
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WVASE32®
は実測データと光学モデルから計算されたデータの差を数量化するのに平均二乗誤差(MSE)を用います。
より小さなMSE値が良いフィットであることを意味します。このMSEはそれぞれの測定データに付随している
エラーバーによって重み付けされそれによってノイジーなデータはより軽く重み付けされます。
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図5 WVASE32®で用いられるMSEの式
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最小値(ベストフィット)を高速で求めるために、Marquardt-Levenbergアルゴリズムが用いられます。図6には、アルゴリズムが極小値でなくベストフィットに収束する為には最初の推測値が可能な限り実際の値に近いことが重要であることを示しています。
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図 6
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フィッティングの良さを決定する為に90%の信頼区間がもうひとつの重要な仕様となります。
この90%の信頼区間はフィットの鋭さと全体的なフィットの質の情報を組み合わせたものになります。
これは指定されたパラメーターの感度や、パラメーターどうしの相関をみることに用いられます。
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図 7 90%の信頼区間
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データの評価
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フィッティングが終了した後に結果として得られたフィットパラメーターの
感度と相関の可能性を評価する必要があります。これを行うには以下の
手順に従います。
- 実測データと生成データを比較する
- MSEの値はどうか?光学モデルに複雑さを入れて大きく減少するか?
- 得られたフィットパラメーターは物理的に妥当か?
- 90%信頼区間の大きさはどれくらいか?
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フィットパラメーターへの物理的な洞察
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フィットパラメーターが物理的に妥当かどうかをみる為には物理的な関係に注意して洞察することが重要です。
例えば
- 膜厚は0や負の値ではない
- kが0のときnは波長が大きくなるにつれて減少する:吸収無し―>通常分散
- 吸収=異常分散(クラマース‐クローニヒの関係を満たす必要がある)
- kは負の値にはならない(金属では一般的にnもkも両方とも波長とともに増加する)
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